ここに置いている 2 つのファイルは、TeX & LaTeX Advent Calendar 2022 の 第 4 日目 と 第 5 日目 のために書いたものです。
web 上で直接読めたほうが便利なのは重々承知しているのですが、LaTeX で書いて pdf にしたファイルを置かせていただきます。せっかく読んでくださろうというのに余計なお手数をお掛けしてしまい、申し訳ありません。
私がそもそも LaTeX に手を出したのは、ドイツ語の文章の行末で自動的にハイフネーションをして欲しかったから、というあまり一般的でない理由によります。
しかも、典型的な文系人間なので、数学にもプログラミングにもまったく縁がありません(もちろん、文系でも数学やプログラミングが得意な方はいくらでもいらっしゃいますので、「文系なので」の一言で自分の能力のなさを正当化しようというのはおかしな話なのですけれど)。
そんな私が LaTeX を使っていたのは 2006 ~ 2011 年くらいの時期でした。 その後は、出版社や編集の会社に論文データを渡す都合から欧文の文章も Word で書くようになったので、LaTeX は原稿執筆には使わなくなってしまいました(実際には、執筆自体はエディタで行っていて、そのデータを先方の執筆要領に従った形に適宜 Word で編集・整形したものを入稿しています)。
そういうわけで、LaTeX を使ってものを書くのは随分と久しぶりのことです。
(何を言いたいのかといいますと、今回作成した文書も所詮門外漢のたわごとなので、内容、体裁ともにもろもろ不備があったとしてもどうか大目に見てください、ということをお願いしたいわけです、何卒!)
12/3 のご担当は hid_alma1026 さん で、明日 12/5 の担当はまた私です。
「数式フォントについて、ちょっとだけ」 (AdventCal_221204.pdf, 300 KB)
自分には関係がないので数式フォントの設定についてはずっと避けて通って来ていたのですけれど、8 月に TeX Forum でのご質問を拝見した際に手元でちょっと試してみたことを、Advent Calendar 用にまとめ直してみたものです。
昨日 12/4 の担当も私で、12/6 のご担当は thth さん です。
「スペースにまつわるエトセトラ」 (AdventCal_221205.pdf, 248 KB)
こちらも、TeX Forum でのご質問を拝見した際などに、The TeXbook の関連していそうなところを拾い読みしていたメモを、Advent Calendar 用にまとめ直したものです。看板に偽りありな内容なので、「勧学院の雀による TeXbook 拾い読み」とでもしたほうがよかったかも知れません。
(1)AdventCal_221205.pdf の冒頭で「〔今年の〕10 月に界隈で “\xobeylines” というのが話題になったりしていたので…」と書きましたが、話題になってたのは実際は 2018 年だった みたいです。
(あと、“\xobeylines” については、話の枕として触れただけで、本論では扱っていません)
(2)AdventCal_221204.pdf の 註(11)に「“Inner” はブレース(“{ }”)で囲まれた “subformula” のことです。」と書き、AdventCal_221205.pdf の 3 ページ目では「なんでこういう『implicit な文字トークン』なんてものが必要なのかを素人なりに考えてみますと、云々」などと書いていますが、Z. R. さんが先日、TeX Forum の「nag パッケージを使うと footnote 環境で align 環境が使えない」というトピックへのご回答で:
とおっしゃっていました。そういう働きもあるのですね。
(3)AdventCal_221204.pdf の 註(1)に「fd ファイル名では〈encoding〉(と〈family〉)は小文字化されることが多いです(ltfssbas.dtx での “\try@load@fontshape” の定義とその説明を参照)。」と書きましたが、その理由が、LaTeX News, Issue 6, December 1996 の冒頭の「Mono-case file names」というところで説明されていました。
(4)AdventCal_221204.pdf の 4 頁の右段に、The TeXbook の 170 頁の表を転記しましたが、The LaTeX Companion, 2nd にも、同じ表が「Table 8.7: Space between symbols」として載っていました。
Merry TeXmas & Happy TeXing!
Since: December 4, 2022; Last modified: January 7, 2023.